合同経営月刊報

新型インフルエンザの集団発生対策の手順

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新型インフルエンザ発症についての対処

新型インフルエンザの罹患が疑わしい社員の対応について

インフルエンザ症状(※1)に類似する自覚症状の社員への対応は、
状況によって次のように対応をします。

勤務中 事業所の責任者に自覚症状を申し出て、直ちに事業所を管轄する発熱相談センター(※2)に相談し、医療機関への対応について指示を受ける。
自宅 自宅を管轄する発熱相談センターに相談し、医療機関への対応について指示を受ける。同時に、事業所の責任者に連絡をする。
※1 インフルエンザの症状=38度以上の発熱かつ急性呼吸器症状
  • ただし、年齢、基礎疾患、服薬状況などの影響で、高熱を呈さない場合もあるため、37.5度以上で考慮することもあります。
  • 急性呼吸器症状とは、少なくとも以下の1つ以上の症状を呈した場合を言います。
    ア)鼻汁もしくは鼻閉  イ)咽頭痛  ウ)咳
※2 個人の勝手な判断で医療機関を受診することは、他の患者に対して二次感染を拡大する可能性があるため発熱相談センターに相談をして指示を受けて行動することになります。
発熱相談センター 受付時間 平日のみ 午前8時30分~午後5時15分
  • 高松市保健所 087-839-2871(高松市)
  • 中讃保健所  0877-24-9962
    (丸亀市、坂出市、善通寺市、宇多津町、綾川町、琴平町、多度津町、まんのう町)
  • 西讃保健所  0875-25-2052(観音寺市、三豊市)
  • 東讃保健所  0879-29-8261(さぬき市、東かがわ市、三木町、直島町)
  • 小豆島保健所 0879-62-1373(土庄町、小豆島町)
新型インフルエンザに罹患した社員への対応

明らかに新型インフルエンザに罹患しているにも関わらず「業務の繁忙期であるので」などの理由で、「マスクを着用した上で、他の社員から離れて仕事をしたい」などの申出がされることが想定されます。
これについても、次のような対応基準で対処します。

就業の禁止 出勤はさせずに休業させなければなりません。労働安全衛生法第68条では「事業者は、伝染性の疾患その他の疾病で、厚生労働省令で定めるものにかかった労働者については、厚生労働省の定めるところにより、その就業を禁止しなければならない」と定めており、感染症に罹患していることを知りながら出勤させることは、同法119条により事業主が「6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金」に処される対象となります。
保健所へ通知 事業所においてインフルエンザ症状を呈する者が1名以上発生後7日以内に、その者を含めて2名以上が新型インフルエンザが強く疑われる場合は、保健所に連絡します。

社員本人が新型インフルエンザに感染した場合は、次の

社員本人が新型インフルエンザに罹患した場合の届出事項
  • 現在の症状(体温・咳や全身倦怠などの症状) 
  • 発病時期
  • 届出をした保健所
  • 保健所からの指示・連絡事項
  • 治療している医療機関
  • 医療機関からの指示・連絡事項
  • 治癒見込み時期 

 初回は全てについて報告し、★のついているものは社員本人が完全に治癒するまで毎日報告を提出すべきこと

社員の同居する家族が新型インフルエンザに罹患した場合

他の社員や顧客に感染させる可能性があるため自宅待機をさせた上で、毎朝の体温についてファックスや電子メールなどを用いて報告をしてもらいます。
また、自宅待機後の出社にあたっては、感染予防のためにマスクの着用、うがいを行います。

家族が新型インフルエンザに罹患した場合の届出事項
  • 罹患した家族の氏名・年齢 
  • 罹患した家族の職業
  • 罹患した家族の現在の症状 
  • 罹患した家族の発病時期
  • 届出をした保健所
  • 保健所からの指示・連絡事項
  • 治療している医療機関
  • 医療機関からの指示・連絡事項
  • 治癒見込み時期 
  • 社員本人の健康状態(体温・咳や全身倦怠などの症状)

 初回は全てについて報告し、★のついているものは社員本人が完全に治癒するまで毎日報告を提出すべきこと

労働条件関係

休業補償について
新型インフルエンザに罹患した場合 新型インフルエンザに罹患した場合は、社員自身の労務提供が不能であり「使用者の責めに帰すべき事由」には該当せず、休業補償の対象とはなりません。(※3
但し、罹患の可能性のある場所であることを知っていて業務を執行させ罹患した場合は、「使用者の責めに帰すべき事由」であり、休業補償の対象となります。
なお、休業が4日以上継続する場合は、社会保険の傷病手当の適用が可能な場合もありますので、社会保険事務所と相談をしながら対応をする必要があります。
社員の「発症の恐れ」があるか「家族が発症」の場合
  • 新型インフルエンザに罹患したかどうか分からない段階や「家族が発症した」場合に感染防止のために出勤を停止させる場合など行政からの指導が無い状態で、会社として自主的に出勤停止とした場合は、休業手当を支給します(但し、新型インフルエンザでなくとも、本人が労働を提供できない状態ならば、休業補償の対象とはなりません)。
    予防措置として出勤停止を行った場合のみ休業補償の対象となります。
  • なお、自宅での勤務が命じられ業務をおこなった場合は、出勤として扱われます。しかし、3.在宅での勤務が不可能な場合は、休業補償の対象となります。
※3 「保菌者、患者に対する解雇、休業補償の取扱」通達
   (平成8年8月9日基発第511号)休業手当の支給条件
  • 伝染病予防法に基づく就業制限業務に従事する罹患労働者を休業させることは、法令の順守行為であるから「使用者の責めに帰すべき事由」に該当しない。(注:「伝染病予防法」等は、1999年に「感染症予防法」として改定されている)
  • 罹患労働者を就業制限業務以外の業務に従事させることを十分検討する等、休業の回避について使用者として行うべき最善の努力を尽くしていないと認められた場合は、「使用者の責めに帰すべき事由」に該当し、休業補償の対象。
  • 伝染病予防法に基づく就業制限業務及び厚生省通知に基づく行政指導における対象労働者、休業の期間・業務の範囲を超えて労働者を休業させることは、「使用者の責めに帰すべき事由」に該当。
※2 個人の勝手な判断で医療機関を受診することは、他の患者に対して二次感染を拡大する可能性があるため発熱相談センターに相談をして指示を受けて行動することになります。
流行地域に出張した社員が罹患した場合の労災保険の適用

労災保険の適用を受けるためには、「業務と疾病との間に一定の因果関係が存在することの立証」が必要となります(業務起因性)。また、社員が事業主の指揮命令下におかれた状態で業務を行う(業務遂行性)の立証も同時に求められます。
従って、新型インフルエンザに罹患したことを業務との関連性で立証することが必要ですので、単純に「隣に罹患者が居た」というだけでは、労災保険の適用を受けることが出来ません。労災保険の申請をするか否かは、管轄の労働基準監督署と相談をして対応をする必要があります。

新型インフルエンザの罹患が疑わしい場合の健康診断の強制について

新型インフルエンザに罹患した疑いがある場合には、まず、最寄りの発熱相談センターに連絡をします。そして疑いが高い場合には指示にもとづいて感染症対応の医療機関にて受診します。

社員へのマスクの義務づけに伴う費用負担

予防のために社員にマスクを義務づける場合に、法律による定めはありませんが、業務中に使用するマスクについては、事業所の経営を維持するために必要な経費として全額事業主負担とします。

社員の新型インフルエンザ予防接種について

ワクチンが、鶏卵を使用して製造されるため、卵アレルギーなどの体質である場合には、ショック症状が生じる可能性もあるため、強制ではなく、希望者のみが接種することとします。

事業継続のための対処

新型インフルエンザが集団発生をする場合には、欠勤率が最大40%になることも想定されています。これをふまえて感染防止策の徹底と業務継続計画を策定します。

事業所内での感染リスク認識の共有
  • 知識の習得と、感染リスク認識の共有
  • 咳エチケットなどの共有(※4
発生時における事業所内の体制
  • 事務所にて2名以上がインフルエンザを発症した場合は、保健所に連絡し、事務所での業務は縮小・停止します。
    【縮小】
    フロアーで2名以上が罹患した場合は、そのフロアー単位で停止をします。
    【停止】
    全フロアーで2名以上が罹患した場合は、事業所として業務を停止します。その場合は、管理者及び指名された者が最小限の業務を続行するために出勤します。
  • 事務所の縮小・停止となった場合は、該当する社員は連絡を取り合い、在宅にて勤務をします。
  • 顧客先の業務については、必要な期間の延期の連絡をおこない事後に対処します。
事業継続のための対策
  • 業務停止となった場合を想定し業務を整理しておくこと。
  • 日程管理なども日々更新し、担当業務の進行を明確にしておくこと。
※4 咳エチケット
  • 咳・くしゃみの際はティッシュなどで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけて1m以上離れましょう。
  • 押さえた手は、すぐに石けんを用いた手洗いをしましょう。
  • 鼻汁・痰などを含んだティッシュはすぐにフタ付きの専用のゴミ箱に捨てましょう。
  • 咳をしている人にマスクの着用をお願いしましょう。
    マスクは病院などにて使用されるより透過性の低い「サージカルマスク」が望ましいですが、通常の市販マスクでも咳をしている人のウイルスの拡散をある程度は防ぐ効果があると考えられます。
    一方、マスクを着用しているからといって、ウイルスの吸入を完全に予防できるわけではありません。マスクをつける際は説明書をよく読んで、正しく着用しましょう。
その他ご質問等がございましたら、私ども合同経営にご相談ください。
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