施設から在宅へ移行していく高齢者介護のこれから
平成12年にスタートした介護保険制度は、3年ごとに見直しを行いながら進められてきました。平成24年4月の改正は、急速に進む高齢者の増加、介護保険料の負担増加、介護給付費の抑制等何かと課題の多い介護保険制度をいかにして継続していくかが問われています。
厚生労働省は、「高齢者が住み慣れた地域で生活し続けることを可能にするため、高齢者の自立支援に重点を置いた在宅・居宅系のサービスや要介護度が高い高齢者や医療ニーズの高い高齢者に対した在宅・居住系サービスを提供する」という方針を打ち出しています。
つまり、従来の介護保険3施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設)に頼らず、在宅や民間が経営する居住系サービスに高齢者介護を委ねていこうということです。
しかし、現実的に核家族化が進み、高齢者のみの世帯や独居老人が増えている現状で在宅介護は難しい問題があるかと思います。そこで、在宅介護を支えるための新しい介護サービスがいくつか設けられました。その一つが次の図の「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」です。このサービスでは、介護度が中・重程度の高齢者でも24時間365日、介護や医療のサービスを受けながら在宅での生活を続けることができるようなシステムになっています。サービス提供をする介護事業所を中学校区ごとに設けることにより、在宅での介護が可能であると考えられています。
重度者を始めとした要介護高齢者の在宅生活を支えるため、日中・夜間を通じて、訪問介護と訪 問看護が密接に連携しながら、短時間の定期巡回型訪問と随時の対応を行う「定期巡回・随時対 応サービス」を創設する。
※1つの事業者から訪問介護・訪問看護を一体的に提供する、又は、外部の訪問看護事業者と緊密な連携を図って訪問介護を実施するなど、訪問看護と訪問介護の密接な提携を図りつつ実施する。
※在宅支援診療所等、地域の医療機関との連携も重要となる。
※地域密着型サービスとして位置づけ、市町村(保険者)が主体となって、圏域ごとにサービスを整備できるようにする。
また、民間が経営する居住系サービスとして、「サービス付き高齢者向け住宅」や「住宅型有料老人ホーム」と介護サービスを組み合わせた下のイメージ図のような仕組みの普及も進められています。
日常生活や介護に不安を抱く「高齢単身・夫婦のみ世帯」が、特別養護老人ホームなどの施設への入所ではなく、住み慣れた地域で安心して暮らすことを可能とするよう、新たに創設される「サービス付き高齢者住宅」(高齢者住まい法:国土交通省・厚生労働省共管)「住宅型有料老人ホーム」に、24時間対応の「定期巡回・随時対応サービス」(介護保険法:厚生労働省)などの介護サービスを組み合わせた仕組みの普及を図る。
高齢者が残りの人生を幸せに過ごすことができ、自分の希望する最期を迎えることができるよう介護サービスの充実が期待されるところです。
健康保険料率が改定されます
- 支払日が「4月・5月・6月」の3ヵ月にある「給与の総支給額」を3で割った平均額が報酬月額となり、それを基に標準報酬月額が決定されます。これが、「算定基礎届(定時決定)」です。この額に保険料率を掛けた額が保険料となるのですが、この標準報酬月額が高くならないように工夫をすることで保険料の上昇を押さえることが出来ます。 また、昇給などで固定的賃金に変動があった時、その後3ヶ月の平均額がもとの報酬月額の2等級以上高い場合にも標準報酬月額の改定(随時改定)が行われます。
- ①4月~6月はなるべく残業をさせない
②4月~6月を昇給月に設定しない
③昇給は一度に大幅な額を上げない
④昇級後3ヶ月間はなるべく残業をさせない
消費税法 改正点の適用時期せまる!!
平成23年6月に一部改正された下記の制度について適用時期がせまっています。
適用対象となる事業所では対策が必要となります。もう一度制度の改正内容についてみてみましょう。
基準期間(個人の場合は前々年、法人の場合は原則前々事業年度)での課税売上高が1,000万円以下の場合、個人事業者の事業開始後原則2年間、資本金1,000万円未満の新設法人の設立後、原則2事業年度が免税事業者でしたが、特定期間(※注1)の課税売上高が1,000万円を超えると、翌年(翌期)から消費税の課税事業者になります。
ただし、課税売上高に代えて、特定期間の給与等支払額により判定することもできます。課税売上高が1,000万円を超えていても、給与等支払額が1,000万円を超えていなければ免税事業者と判定することができます。
- ※注1) 特定期間とは次の期間をいいます。
- 個人事業者の場合…その前年の1月1日から6月30日までの期間
法人の場合…原則としてその事業年度の前事業年度開始の日以後6ヶ月の期間
<適用関係>
平成25年1月1日以降に開始する個人事業者のその年、又は法人の同日以後に開始する事業年度から適用されます。したがって、平成24年上半期の課税売上高等が判定基準となります。
消費税が非課税となる売上げに対応する課税仕入れに係る消費税額ついては、仕入税額控除を認めないのが原則ですが、事業者の事務負担の煩雑さに配慮して、売上げの95%以上が課税売上となる場合は、課税仕入れに係る消費税額の全額を控除することが出来ることとされています。
平成23年度税制改正では、事務負担への配慮を中小・零細事業者に限定することを目的に、課税期間の課税売上割合95%以上かつ課税売上高が5億円以下の事業所に限り、同制度を適用することとされました。
<適用関係>
平成24年4月1日以後に開始する課税期間から適用されます。
雇用管理のツボ
適切な雇用管理を行うために、様々な場面における問題点や対処法をお知らせします。
労働契約時に、労働時間や賃金などの労働条件をあいまいにしていた場合、労働者の方と様々なトラブルを招く恐れがあります。法令上必要とされる基本的なものですので、準備をしておきましょう。
- 必ず文書を作成
- 労働条件を明示するために、必ず文書を作成します。2部作成し、労働者の署名・押印をもらい、各自1部ずつ保管します。
- 労働条件が変わったら、その都度作成
- 労働時間や、賃金の金額が変わった場合は、再度作成します。必ず最新の条件のものを作成しましょう。
- ① 労働契約の期間
- ② 就業の場所、従事すべき業務の内容
- ③ 労働時間、休憩時間、休日、休暇、残業の有無
- ④ 賃金の内容、締切日、支払日、支払い方法、昇給・賞与・退職金の有無
- ⑤ 退職、定年、解雇事由 など