2023年10月1日より いよいよインボイス制度開始です!
消費税の端数処理、正しく計算できていますか?
いよいよ10月1日より、インボイス制度が開始されました。既に多くの事業者が、登録番号の発行、請求書への登録番号記載など対応をされているかと思いますが、今回は消費税額の計算をする際に、間違いやすい“消費税の端数処理”についてご紹介いたします。
「税率ごとに区分した消費税額等」の端数処理
適格請求書の記載事項である「税率ごとに区分した消費税額等」に1円未満の端数が生じる場合には、一の適格請求書につき、税率ごとに1回の端数処理を行うことが必要となります。【例①】
例えば、一の適格請求書に記載されている個々の商品ごとに消費税額等を計算し、端数処理を行い、その合計額を「税率ごとに区分した消費税額等」として記載することは認められません。【例②】
※税込価額を税率ごとに区分して合計した金額に対して、10/110又は8/108を乗じて得た金額に端数処理を行う場合は認められます。
日々の取引をまとめて1ヶ月分として請求書を発行している場合は、上記のような消費税額の計算が必要となりますので、今一度ご確認をお願いいたします。
その他、インボイスについて気になる点があれば、国税庁のホームページ又は税理士法人合同経営までお問い合せ下さい。
最低賃金の改定における対応ついて
令和5年10月に最低賃金の引き上げが行われます。そもそも最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低額を定め、使用者はその最低賃金以上の賃金を労働者に支払わなければならないとする制度です。
令和5年度の最低賃金は全国加重平均が1,004円(昨年度961円)となり、昨年度より加重平均43円の引き上げとなりました。この引き上げは、目安制度が始まった昭和53年度以降、最高額の引き上げです。
最低賃金の引き上げにより、社内の最低賃金をそれ以上に設定することが必要になりますが、社内の最低賃金を上げるだけで対応は十分でしょうか。
最低賃金が上がることにより、新入社員や初任給の社員と、経験やスキルを持つ社員との賃金格差が縮小する可能性があります。給与は、業務の内容、責任、経験、スキルなどに応じて差異があるべきです。経験やスキルのある社員のモチベーション維持や給与の公平性の維持のために、最低賃金の引き上げに伴い、全体的な給与の引き上げが必要になります。
また、国は全都道府県での最低賃金1,000円以上を目指しており、今後も継続した最低賃金の引き上げが予想されます。最低賃金の上昇は、企業にとってはコスト増となる一方で、社員の生活水準の向上や経済の活性化にも寄与するとされています。会社としては、これを機に賃金の再評価や経営の効率化を図り、市場での競争力を維持・向上させることが求められます。
外国人雇用の際の留意点について
コロナ禍の期間中は水際対策として出入国制限措置がとられていましたが、現在では伸び悩んでいた外国人労働者数も増加傾向となっています。
香川県の介護事業所においても、外国人の介護職員の方を見かけるようになりました。
ただ人手不足に悩んでおり、雇用拡大として外国人雇用を考えているけれども、実際には制度や習慣、言葉の違いなどから敬遠する事業所がまだまだあると思います。
介護事業所における外国人介護職員の制度、留意点について、紹介していきます。
制度について
外国人介護職員制度については、いくつかありますが、主だった制度は下記となります。
在留資格 | 技能実習 | 特定技能 | 介護 |
---|---|---|---|
特徴 | ・雇用のきっかけとして、採用する企業が多い ・監理団体の監理のもと実習を行う |
・人手不足解消のための制度であり、近年増大している ・登録支援機関に支援を委託することができる |
・介護福祉士資格を取得しているため能力が高い ・左記の二資格と異なり、在留期間に制限がない(更新手続きは必要) |
注意点 | ・訪問系サービスには従事できない ・N2(日本語能力試験)未満は就労後6か月までは配置基準に含められない |
・訪問系サービスには従事できない ・介護の現場で働く上で必要な日本語能力が要件となるが、フィリピンはN5程度等国により異なる | ・支援機関がないため、介護事業所が独自に採用する必要がある。 ・日本語能力はN2程度と語学力が高い |
上記表のように、支援機関が有料職業紹介所となっており、紹介をしてくれるため、技能実習生や特定技能外国人を雇用しやすいといった点もあります。
又、訪問系サービスにおいては、単独で利用者宅に訪問するため、在留資格「介護」以外は従事ができないとされていますが、7月に行われた検討会にて緩和の動きも出ていたり、技能実習制度自体が廃止され、新たな制度が検討されているなど、今後の動向に注意が必要です
事業所としては、外国人と聞くとやはり一番に心配するのは言葉や文化の違いだと思います。日本語能力については、上記表に記載している通り、日本語能力試験(JLPT)が取得目安の一つとなっています。N1~N5まであり、N1になると日本人でも難しい高度な日本語を理解できます。こちらのレベルについては、下記QRコードにて問題例があるので、そちらを参照すると分かりやすいです。
職員としても、日本語をわかりやすく伝えるよう教えていく必要があります。実際に外国人を雇用している介護事業所に話を聞くと、「道路が渋滞している」と話すと理解できず、「渋滞している=混んでいる」と説明してもなかなかニュアンスが伝わらず苦労したようです。意味は分かっていても、簡単と思っている言葉ほど説明がしづらいといったこともあるようです。
又、支援機関が紹介してくれるとはいっても、事業所によっては、現地に行って、実際に採用活動をすることがあります。受け入れる側も現地を見ることで習慣や文化の違いに触れることができます。
8月に日本法令より出版された合同経営グループ著の「5訂版 実例で見る介護事業所の経営と労務管理」に詳細を記載しておりますので、ぜひそちらもお手元に取ってご覧ください。
5訂版 実例で見る介護事業所の経営と労務管理
R5年7月出版されました