合同経営月刊報

中小企業倒産防止共済掛金(経営セーフティ共済)の損金算入の特例の見直し

 2024年度税制改正により、中小企業倒産防止共済掛金(以下、経営セーフティ共済)を活用した節税策が下記の通り、見直しとなりました。

そもそも「経営セーフティ共済」とは?

 中小企業基盤整備機構によって運営されており、企業の連鎖倒産を防ぐための制度です。取引先企業が倒産した場合、積み立てた掛金総額の10倍の範囲内(最高8,000万円)で回収困難な売掛債権等の額以内の共済金の“貸付”が受けられます。
※掛金はその期の経費(損金)として計上し、解約時に受け取った金額は収益計上となります。

 これまで経営セーフティ共済に関しては、解約して手当金を受け取ったものの、自社の利益を鑑みて、短期間のうちに再契約を行う事例も多く、本来の制度の趣旨から外れた利用も少なくありませんでした。

 そこで、今回の税制改正により、解約後に再契約する場合、解約日から2年を経過する日までの間に支払った掛金に関しては、損金不算入となりました。
 2024年10月1日以降に契約を解約した場合に適用となりますので、それ以降解約、再契約を検討されている事業者はこの点ご注意いただき、経営セーフティ共済を上手に活用いただければと思います。

障害者の法定雇用率の引上げ、算定方法の変更について

 従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を「法定雇用率」以上にする義務があります。

障害者の法定雇用率が段階的に引き上げられます(令和6年4月以降)
  令和5年度 令和6年4月から 令和8年7月から
民間企業の法定雇用率 2.3% 2.5% 2.7%
対象事業主の範囲 43.5人以上 40.0人以上 37.5人以上

 法定雇用率の引き上げにより、令和6年4月からは従業員(※)が40人以上いる会社では1人以上の障害者の雇用が義務となります。
※1年以上の雇用が見込まれる、週30時間以上の従業員を1、週20時間以上30時間未満の従業員を0.5とカウント

→ 従業員40人以上の事業主は、毎年6月1日時点での「障害者雇用状況報告書」を作成し、ハローワークに報告する義務があります。(報告期限:7月15日まで)

障害者雇用における障害者の算定方法が変更となります

 障害者雇用における障害者の算定方法は、以下の表のとおりで、赤字で示している算定方法が変更となります。

1週間の労働時間 30時間以上
(常用労働者)
20時間以上30時間未満
(短時間労働者)
10時間以上
20時間未満
身体
障害者
重度以外 1 0.5 -
重度
(障害者手帳が1級・2級)
2 1 0.5
知的
障害者
重度以外 1 0.5 -
重度
(療養手帳が1級・2級)
2 1 0.5
精神障害者 1 1(※) 0.5

▼精神障害者の算定特例の延長(令和5年4月以降)
週所定労働時間が20時間以上30時間未満の精神障害者について、当分の間、雇用率上、雇入れからの期間等に関係なく、1カウントとして算定できるようになります。(上記※)

▼一部の週所定労働時間20時間未満の方の雇用率への算定(令和6年4月以降)
週所定労働時間が10時間以上20時間未満の精神障害者、重度身体障害者及び重度知的障害者について、雇用率上、0.5カウントとして算定できるようになります。

 実雇用率の低い事業主については、行政指導の対象となり、雇入れ計画の作成および実施が必要となりますのでご注意ください。

算定基礎届の提出時期がきました!

 毎年7月に、同年4月、5月、6月に支払われた3ヵ月間の賃金総額の平均に基づいて、標準報酬月額を決定する『算定基礎届』を提出します。決定された標準報酬月額をもとに、各人の社会保険料が決まり、その年の9月分(10月支払分)から翌年8月分(9月支払分)までの保険料として適用されます。この手続きを定時決定といい、実際の報酬と標準報酬月額の等級に差が生じないように1年に一度見直しを行います。

現物給与について

 通貨以外のもので、食事(給食・食券など)、住宅(住宅・寮など)、衣服または自社製品などを現物支給する場合も、労働の対償であれば報酬となります。現物支給は、支店等が所在する都道府県に定められた額『厚生労働大臣が定める現物給与の価額』に基づいて通貨に換算します。
 2024年4月より食事の現物給与価格が変更になっておりますので、ご注意ください。

【香川県の場合】
食事で支払われる報酬等 住宅で支払われる
報酬等
1人1ヵ月当たり食事代 1人1日当たり食事代 1人1ヵ月当たり住宅の利益の額
(畳1畳につき)
1日分 朝食のみ 昼食のみ 夕食のみ
22,800円
(22,500円)
760円
(750円)
190円
(変更なし)
270円
(260円)
300円
(変更なし)
1,210円
(変更なし)

()内は昨年の価格

●その他の報酬(自社製品、通勤定期券など)は時価となります。
●食事については、上記額の3分の2以上に相当する額を食費として徴収されている場合には、現物給与に加算する必要はありません。

 その他ご不明な点がございましたら、合同経営にご相談ください。
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