労働保険事務手続きを自社で行っている事業所の方へ労働保険年度更新をお忘れなく!
~労働保険年度更新の手続きが始まります~
毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間に、すべての労働者(雇用保険は被保険者)に支払われた賃金総額に保険料率(事業ごとに定められている)を乗じて算出したものを労働保険料(確定・概算分、一般拠出金)といい、それを申告期間内に申告し、保険料を納付するというものです。この手続きが遅れると、政府が保険料・拠出金の額を決定し、さらに追徴金(納付すべき保険料・拠出金の10%)を課されることがあります。
- 確定時注意事項
- ①アルバイト、パート等の賃金がもれていませんか。
- ②通勤手当がもれていませんか。
- ③社会保険、税金等の控除前の総支給額が算定基礎額となりますが、差引支給額を算定基礎額としていませんか。
- ④賃金の中に役員報酬が入っていませんか。役員報酬は労働保険料では対象となりません。
- ⑤雇用保険加入資格要件に該当している方の加入もれはありませんか。
- 建築・土木建設業注意事項
- ①前年から繰越した工事分がもれていませんか。
- ②設計施工変更に伴い、請負金額の増減額が正しく計算されていますか。
- ③元請工事額をすべて算入していますか。(H27年4月1日前開始分は消費税込み、H27年4月1日以降開始分は消費税抜き)
- ④下請工事額を誤って算入していませんか。
- ⑤工事毎の業種振り分けが正確にできていますか。
申告期間は、『6月1日~7月10日まで』です。
この年度更新について、『手続きが煩わしい、工事の確定が分かりにくい、そもそも手続きを専門家に依頼したい』と一度でも思った総務の方、ご相談ください。当社では、社会保険労務士有資格者が多数在籍しており、皆様に代わって事務手続きをお手伝い致します。是非、ご連絡ください。
平成30年度 税制改正のポイント~法人課税~
平成30年3月に、平成30年度の税制改正法案が成立し、一部を除いて4月1日より施行されました。その中で法人課税にかかる改正点についてみてみましょう。
- 1.賃上げ・投資促進税制(所得拡大促進税制の見直し)
- 生産性向上のために設備投資を行い、十分な賃上げを行った企業に対して、賃上げ金額の一定割合の税額控除ができる制度です。要件の見直しと税額控除額の引き上げが行われました。
中小企業の場合は設備投資用件はなく、従業員の給与を前年度より増加させた場合最大で増加額の25%を法人税から控除できます。
要件 | 税額控除 |
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※以下のいずれかを満たす場合。
①教育訓練費が前年度比で10%以上増加していること。
②中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画の認定を受けていて、経営力向上が確実に行われたことの証明がなされたこと。
(中小企業とは①資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人②資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人をいう)
中小企業以外の法人は以下のとおり
要件 | 税額控除 |
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- 2.情報連携投資等促進税制の創設
- まずは生産性向上特別措置法の計画の認定を受けて、かつ、継続雇用者給与等支給額の対前年度増加率が3%以上であることが要件となります。
最低投資合計額は5,000万円で、ソフトウェア・器具備品・機械装置の対象設備を購入すると、30%の特別償却または5%(要件によっては3%)の税額控除を受けられます。
上記1と2のダブル適用で法人税の実質税率が下がる場合もあるので、改正点をよく把握して利用できる制度は最大限活用してみるとよいでしょう。