確定申告の季節です
所得税の確定申告の時期になりました。申告期間は2/16~3/15です。(還付申告する方はすでに受付中です)個人事業主の方は、正しい記帳を行い1年間の決算書を作成し、早めに確定申告を行いましょう。
- ・ 年末調整後、H22年中に子供が産まれたり、結婚した人
- ・ H22年中に住宅を取得して、金融機関からの借入がある人
- ・ 年の中途で退職した後就職しなかった人で、年末調整を受けなかった人
- ・ 雑損控除(災害・盗難・横領)、医療費控除又は寄付金控除などの適用を受けることができる人
- など。
- 複式簿記による記帳を行い、必要な書類を作成し申告期限内に申告する等の条件が揃えば、事業所得(利益)から65万円も控除する事ができます。
- 税務署に必要な書類を提出する事により、配偶者などの同一生計親族に支払った給与を「専従者給与」として経費に計上できます。
(但し適正な額に限ります)
- 損失(赤字)がある場合、翌年以降3年間その損失を繰越す事ができます。
- 他にも貸倒引当金を計上したり、少額減価償却資産(30万円未満)を購入した年に一括で経費に計上する事ができます。
複式簿記で正しい記帳をすることにより、事業の業績が明確になり、経営状況を容易に把握する事ができます。来年は是非「青色申告」とお考えの事業主の方は、3月15日までに手続きを行いましょう。
「労災隠し」は処罰の対象になります。
建設業界では、「ちょっとした怪我なら労災保険を使わずに健康保険を使えばいい」とか「元請会社に迷惑をかけることとなるから労災保険を使わない」などという声をよく耳にします。
しかし、それに伴い、怪我をした本人若しくは家族が労働基準監督署へ訴えたり、民事裁判にまで発展するケースも見受けられます。
よくある質問を元にして、事例にて説明します。
- 建材の販売業を行なっています。
当社の従業員が新築現場の網戸の配送を頼まれ配達先で網戸を取り付け中、足場から落ちて足をくじいてしまいました。
この場合建設現場での事故なので元請の労災保険を使うことになるのでしょうか。
私の会社の労災保険は使えないのでしょうか。もしも元請の労災保険を使わなければならないのなら国民健康保険で治療させようと思っています。 - 確かに下請事業者としては、ゼネコンなどの下請になって仕事をしているので、労災事故による建設現場の労災保険を使うことを遠慮している現状はあります。
元請会社の労災を使わなければならない理由は、建設業における労災保険の特殊な仕組みによるものです。
建設業では、1件の工事に対して複数社が業務を請負、工事を完成させるという実態があるため、それぞれの会社単位で労災保険が適用されるのではなく、1つの工事を1つの単位として、元請会社が代表して労災保険に加入し、労災保険が適用されるという仕組みになっているというものなのです。
- 建設工事の種類によっては格付をされており、死亡事故等の重大な事故が生じ、労働安全衛生法違反で起訴され、指名停止や営業停止等の行政処分を受けた場合は、格付基準となる総合点数からマイナスされるという影響があります。
加えて、格付には工事成績も反映されることとなっており、その工事成績には重大な労災事故の発生が影響を及ぼす可能性があります。
しかし、各都道府県で格付に対する考え方も異なり、1件や2件の軽微な労災事故では影響を及ぼす可能性は低いと考えられ、また工事の種類によっては、格付自体がないものもあり、全く影響しないことも考えられます。
- 平成20年の制度改正により経営事項審査の評価項目の『工事の安全成績』はなくなりましたので、「軽微な労災事故」が経営事項審査の点数に影響することはありません。
しかし、死亡事故等の重大な事故が生じ、労働安全衛生法違反で起訴された場合で行政処分を受けた場合は『法令遵守状況』の評価項目で影響を受けます。
ですから重大な労災事故の発生原因が法令違反にある場合に影響を受けるということです。
- 補償を受ける場合、病院へ提出する書類、所轄労働基準監督署へ提出する書類等様々な書類はありますが、当社に相談頂ければ、対応できますのでご安心下さい。
戸籍を読む①~戸籍の歴史~
今回から始めましたシリーズ「戸籍を読む」の第一回目は、戸籍の歴史について調べてみました。
日本最古の戸籍は、今から約1300年前。時代は飛鳥時代や奈良・平安時代といわれています。
当時は、政府が人々に口分田を支給し、税をとるための基本台帳として作られていたようです。
ずいぶん昔から戸籍があったことにびっくりですね。
その後、江戸時代に入ると、宗門人別改帳(しゅうもんにんべつあらためちょう)という戸籍に似たものが作られました。
当時、国民はすべて1つの菩提寺の檀家とならなければならないと決められており、寺を通じて幕府が統制していました。これは隠れキリシタンの取締りや人口調査の為に作られていたようです。
また、個人の証明として寺請証文が寺から発行されて、旅をする時などはこれを携帯しなければなりませんでした。現在のパスポートのようなものです。
現在の戸籍は、明治時代の戸籍法の施行に始まり、数回の記載内容のルール変更が行われ、昭和23年の新戸籍法により、現在の戸籍の記載内容になりました。
- ・戸籍の編成は住所地において戸主をはじめとして親族を主体とし、他人でも養育しているものを附籍者として登録されており、現在の住民票の様な役割も併せ持つ
- ・戸籍の表示は何番屋敷という表示方法
- ・現在では保存期間経過の為、取得できない
- ・家の単位に、戸主を中心として直系・傍系の親族をひとつの戸籍に記載
- ・除籍制度が設けられる
- ・屋敷番制度ではなく地番制度が採用
- ・行政的・人口調査的性格が除かれ民法上の身分関係の登録公証制度に性格が変わる
- ・新たに「戸主と為りたる原因及び年月日」の欄が設けられる
- ・戸主事務掌握者を戸籍官吏から市町村長に改める
- ・「戸主と為りたる原因及び年月日」の欄が廃止され、その事項を戸主の事項欄に記載する
- ・家の単位から夫婦親子の単位に変更
- ・戸主欄、前戸主欄がなくなり、代わりに筆頭者氏名欄ができる
- ・平成6年に戸籍法が改正され、戸籍をコンピュータにより処理が可能になり、電算化した戸籍謄本は縦書きから横書きに変わる
こうやって戸籍の歴史をたどると、それぞれの時代背景を垣間見ることができます。
日本の歴史と共に、戸籍も存在する目的や内容を変え続け、現在に至っていることが分かりますね。