合同経営月刊報

2017.8月号

来たる「残業禁止時代」に向けての対策を!

中小企業でも出来る、働き方改革への道

 電通問題が大きな社会問題となっている昨今、政策課題である「働き方改革」は、個々の改革テーマを眺めただけでは、中小零細企業の経営圧迫になりかねない無理難題だと捉えている事業主が多いのではないでしょうか?
しかし、政策の流れはいずれ法制化されることが想定されます。法改正を待たずとも、自主的に取組を進めることが、企業や従業員を守り、より良い労使関係を築く鍵となることは間違いありません。

働き方改革の柱となる注目すべき2大テーマ
同一労働・同一賃金など非正規雇用の処遇改善

 文字通り、「同一の労働に従事する労働者に対して同一の賃金を支払わなければならない」という意味です。単純に見ると正社員と非正規社員の賃金水準を同等に設定しなければならないのか?と無理難題なのですが、「待遇の相違が合理的」なものであれば構わないとされています。すなわち、まずは待遇の相違が客観的に合理的かどうかの検証と、そうでない場合の対策が必要となります。

検証方法
・基本給の決定の方法とその構成が明確か?(年齢、職種、業績、役割、能力など)
・基本給以外の手当についての支給基準が明確か?
・上記を明確にしたうえで、賃金の差の要因として決定的基準・ルールが異なる理由を、職務内容や
 配置変更の範囲など具体的な実態に照らして説明できるか、を検証する。
長時間労働の是正

 長時間労働がもたらす弊害として、労働者の健康(脳・心臓疾患・精神疾患)への影響と仕事と家庭生活の調和の欠如などが挙げられています。前者の観点からすれば、「休息をとり、必要な睡眠時間」を確保できるように配慮することが極めて重要になります。
 いきなり残業をゼロにしろと言われても、人材不足や季節的な繁閑差、残業代が生活費を支えているという実態から鑑みて、業務効率化、人材確保(離職率低下)、賃金水準の確保、就業時間ルールの明確化など様々な要素を考慮した十分な体制づくりが必要です。

体制づくりを検討する
・そもそも労働時間の管理が出来ているか
・現状の把握と、考えられる対策の検討(業務手順の見直し、会議のあり方…など)
・労働時間と業務の実態について労使間の話し合い
働き方改革への道、助成金を利用した体制づくり

同一労働同一賃金についての検証結果や、長時間労働対策としての体制づくりについて対策の必要有り、と判断された場合「助成金を利用した、改革への道」があります。

使える助成金
「キャリアアップ助成金/賃金規程等共通化コース・諸手当制度共通化コース」
正社員と非正規社員の賃金規程を合理的に共通化することや共通の手当を導入することで助成金がもらえます。

最大で…95万円

「人事評価改善等助成金」(賃金制度の整備)
人事評価制度と賃金制度を整備することで賃金形態の明確化と公平な評価を賃金額に反映することで従業員の定着率UPを図れます。

最大で…130万円

「職場意識改善助成金」(勤務間インターバル導入による長時間労働の抑制)
勤務終了時刻から翌日の始業時刻までの休息時間をルール化して確保するために行う取組(労務管理研修、外部コンサルティング、就業規則の整備、労務管理用機器の導入)に要した費用の4分の3の助成金がもらえます。

最大で…50万円

介護施設、介護事業所の指定取消・効力の停止処分が過去最高に!

 平成27年度は、指定の取消し・効力の停止処分等の行政処分があった施設・事業所数が「227件」と、過去最高記録となっています。
 多くの事業所は、指定権者の実施指導を受け、その指導結果を基に改善を行っていますので、取消しまで至ることはありません。実地指導結果の通知に従わない場合や、実地指導時に「著しい運営基準違反がある」、「利用者の安全に危害が及ぼされるおそれがある」、「報酬請求の誤りの内容が著しく不正な請求である」等と認められると、実地指導から監査になり、監査結果によって行政処分が行われることになります。
 自社の事業所が適正に運営できているかどうかを把握するポイントを2点紹介します。

介護報酬を算定する基準はしっかりと確認しておく

注意)
◎要件を満たさない限り、サービス提供を実施しても請求できず、請求しても返還になる。
◎間違いが分かったら、すぐに過誤申請で返還する。

「虚偽・偽装」は最も重たい行政処分になることを認識しておく

 日常のサービス提供の中で、起こりそうな事例を紹介します。

  • 利用者が体調不良で病院に行った時間を含めて請求した。
  • 交通渋滞で送迎車の到着が遅れてサービス提供時間が短くなったが、計画の時間で請求した。

 これらは、介護事業者として、知らなかったという言い訳は通用しません。不正請求を認め、指定権者に相談の上、過誤請求をしましょう。嘘を事実にしようと「書類の改ざん・嘘の書類の作成」をして取り繕う事は、虚偽・偽装行為です。「虚偽・偽装」は、悪質性があると判断され、最も重い行政処分「指定取消」につながります。

その他ご質問等がございましたら、私ども合同経営にご相談ください。
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