経営審事項審査の改正CCUSを導入すれば経審で加点が見込める!
国土交通省は、建設キャリアアップシステム(CCUS)の導入や、ワークライフバランスの改善などを評価する項目を経営事項審査に新設することを発表しました。2022年6月公布、2023年1月に施行が予定されています。今回は、建設キャリアアップシステム(CCUS)と経審についてご紹介いたします。
建設キャリアアップシステム(CCUS)って?
建設業界の人材不足に対策する目的で2019年4月より本格運用が開始されました。建設業に従事する技能者一人ひとりの就業実績や資格を登録し、技能の公正な評価、工事の品質向上、現場作業の効率化などにつながるシステムです。
経営事項審査の審査基準と評点
直近事業年度に施工した工事で導入している場合は加点されます。
要件 | 評価 |
---|---|
直近事業年度に施工した全ての建設工事(元請工事に限る。)において、CCUS上の現場登録及びカードリーダー設置等の就業履歴を蓄積するために必要な措置を講じていること | 15 |
直近事業年度に施工した全ての公共工事(元請工事に限る。)において、CCUS上の現場登録及びカードリーダー設置等の就業履歴を蓄積するために必要な措置を講じていること | 10 |
国土交通省HPより
CCUSへの現場登録やカードリーダーの設置など、当該工事に従事する者が就業履歴を蓄積するために必要な措置を講じていることが要件です。また、運営上は要件に該当する旨の誓約書を提出、行政の抽出調査等による確認を経て加点が行われます。
入札・契約制度でもCCUSが加点対象に
2022年度から、新しい入札・契約制度が始まりました。CCUSへの登録している企業に対して加点評価の導入を各都道府県が進めています。香川県ではこれまで評価の対象となっていた「ISOマネジメントシステムの取組」が廃止され、新たに「建設キャリアアップシステムの取組」が評価項目として新設されました。
評価項目 | 配点 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|
建設 キャリアアップ システムの取組 |
〇受注者(元請け)の企業登録があり、 かつ当該工事現場において活用する場合 |
5 | ・受注者(元請け) の企業登録 |
|
〇上記以外 | 0 | ・工事現場に おいて活用 |
(香川県HPより)
加点対象となった場合は、当該工事現場での機器の設置状況写真、利用状況写真及び現場監督業務等の中で履行確認を行うものとし、竣工時には、履行確認表(指定様式)を提出することが求められます。
国土交通省の方針では、2023年度より「あらゆる工事におけるCCUS完全実施」を目指すこととされています。現在、CCUSの登録は義務ではありませんが、今後義務化される可能性は高く、現在、外国人技能実習生を受け入れる場合は、CCUSへの登録が義務となっています。
元請事業者から発注先事業者への登録を推奨することも増えており、CCUSの登録をしている会社への評価が上がり、公共工事の受注数などに影響する可能性も今後考えられます。経営事項審査で評点を上げるための方法の一つとして、建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録を検討してみてはいかがでしょうか。
合同経営では、建設キャリアアップシステム(CCUS)への代行申請を承っております。
システム登録をご検討されている方はぜひ合同経営へご相談ください。
社会保険の適用拡大とは?
2022年10月から従業員数※101人以上の企業を対象に、社会保険の適用拡大が開始されます。(※ここでいう従業員数とは、フルタイム従業員および週労働時間がフルタイムの3/4以上の従業員の合計です。)
これにより、従来の従業員要件に加え、以下の要件をすべて満たす短時間労働者は、社会保険の被保険者となります。
- 従来の従業員要件
- ●フルタイム従業員
- ●週労働時間がフルタイムの3/4以上の従業員
- 新しい従業員要件
- ●週の所定労働時間が20時間以上
- ●賃金月額が8.8万円以上
- ●2ヶ月を超える雇用の見込みがある
- ●学生ではない
2024年からは従業員数50人超えの企業も適用拡大の対象となりますので準備が必要です。
企業がすべき対策
- ①従業員数の把握
- まずは、自社が適用拡大の対象となるかどうかを確認しましょう。現在の厚生年金保険の適用対象者が100人を超えている場合、早急な対応が必要です。また、対象となる企業には2022年8月までに日本年金機構より適用拡大の対象となることをお知らせする通知が届きます。
- ②対象者への説明
- 適用拡大によって新たに社会保険の加入対象となる従業員を把握し、対象者に対し周知を行いましょう。社会保険に加入することで、手取り額の減少などデメリットもありますが、保障の充実などメリットもあります。しっかり説明を行ったうえで、10月以降の働き方について話し合いましょう。
- ③被保険者資格取得届の提出
- 届出の提出締切は2022年10月5日です。それまでに、加入日や報酬月額などを記入した被保険者資格取得届を準備し、提出しましょう。