決定!働き方改革法案
本年8月号の月刊報でお伝えした「有給休暇5日の取得義務化」を含んだ働き方改革法案が可決され、正式に成立いたしました。
法案の目的は「働き過ぎ」を防ぎながら、「ワーク・ライフ・バランス」と「多様で柔軟な働き方」を実現する、というものです。具体的には以下の内容になります。
- ①残業時間の上限規制
- 年間720時間、単月100時間未満、複数月平均80時間の限度の設定。
- ②「勤務間インターバル」制度の導入の促進
- 前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に、一定時間の休息の確保を努力義務とする。
- ③1人1年あたり5日間の年次有給休暇の取得を義務化
- ④中小企業における月60時間を超える残業の割増賃金率を引き上げの義務化
- 月60時間を超える時間外労働について、中小企業は割増率25%で据え置かれていたが、大企業と同様に50%の割増率となる。
- ⑤労働時間の客観的把握の義務化
- 働く人の健康管理を徹底し、管理職や裁量労働制適用者にも対象を拡大する。
- ⑥「フレックスタイム制」により働きやすくするための制度の拡充
- 労働時間の調整が可能な期間(清算期間)を延長(1ヶ月⇒3ヶ月)
- ⑦専門的な職業の方の自律的で創造的な働き方である「高度プロフェッショナル制度」の新設
- 前提として、働く人の健康を守る措置を義務化
対象を限定(一定の年収以上で特定の高度専門職のみが対象)
- ⑧産業医の機能強化
- 事業主は産業医に必要な情報を提供し、産業医の勧告を衛生委員会に報告する
- ⑨同一労働同一賃金の義務化
- 正社員と非正規労働者の不合理な待遇差の禁止、派遣労働者の派遣先または同種業務労働者との均等待遇実施、正社員との待遇差の内容・理由の説明の義務化
- 施行日
(中小企業の場合) - ③⑤⑥⑧…2019年4月1日~、①…2020年4月1日~、
⑦⑨…2021年4月1日~、④…2023年4月1日~
高齢者施設における防災マニュアルの見直し
近年は、地震、豪雨、台風と災害が多く起り、深刻な被害が出ています。
高齢者施設においての防災対策は、施設の立地条件、入所者や通所者の事情によって多様化しますが、それぞれに応じた対策を講じることが必要になります。香川県が出している防災マニュアルや様式をそのまま利用するのではなく、施設の状況に応じて修正し、独自のマニュアル等を作成することをお勧めします。また、避難訓練等を定期的に行い、市町、警察、消防などの行政機関や民生委員、自主防災組織等の関係団体等との協力体制を確立し、万全の備えをしておく必要があります。
改めて、避難情報の確認をしておきましょう
避難準備・高齢者等避難開始
- 避難勧告や避難指示(緊急)を発令することが予想される場合
- 避難に時間を要する人(ご高齢の方、障害のある方、乳幼児等)とその支援者は避難を開始しましょう。
- その他の人は、避難の準備を整えましょう。
避難勧告
- 災害による被害が予想され、人的被害が発生する可能性が高まった場合
- 速やかに避難場所へ避難をしましょう。
- 外出することでかえって命に危険が及ぶような状況では、近くの安全な場所への避難や、自宅内のより安全な場所に避難をしましょう。
避難指示(緊急)
- 災害が発生するなど状況がさらに悪化し、人的被害の危険性が非常に高まった場合
- まだ避難していない人は、緊急に避難場所へ避難をしましょう。
- 外出することでかえって命に危険が及ぶような状況では、近くの安全な場所への避難や、自宅内のより安全な場所に避難をしましょう。
ポイント1施設の立地条件、入居者等の事情、発生時間などに応じた対策が盛り込まれていますか?
- 立地条件:県市町が作成しているハザードマップを見て、どのような危険があるのか。避難経路の作成。
- 入居者等:入居者に合った避難方法の確認(車椅子、ストレッチャー、ベットのまま等)
- 発生時間:昼間・夜間の人員体制(組織)。特に夜間は人員等手薄となるため地域からの応援要請、避難協力の体制はどのようにしているのか。
ポイント2水災害(豪雨・洪水・土砂崩れ)についての対策が盛り込まれていますか?
- 土砂崩れ、河川の氾濫の前兆確認のチェック項目
- 自主避難の判断基準(前兆現象が現れたとき、避難準備情報が発令されたとき等)
- 予測被災に基づく避難場所の選定
ポイント3「避難準備情報」等の名称が変更されています。修正していますか?
- 変更前
- (1)避難指示
(2)避難勧告
(3)避難準備情報
- 変更後
- (1)避難指示(緊急)
(2)避難勧告
(3)避難準備・高齢者等避難開始
災害が起きる前に日ごろから施設の安全点検・避難訓練等実施し、緊急時に対応できるようにしておきましょう。