平成26年12月現在
日本は、有給休暇の取得率が低いとされています。
2007年内閣府がまとめたワークライフバランスに関する行動指針では、2012年には取得率を60%、2017年には100%に引き上げるという目標が掲げられています。厚生労働省は「2016年春より年休の消化を企業に義務」とする法律の制定の検討を開始しました。(「日経新聞」10月3日号報道)社員の希望をふまえ、年に数日分の有給の取得日を企業が指定するといった内容です。
有給休暇の権利は次の①②の要件を満たせば発生します。
① 入社日から6か月継続勤務していること。
② 全労働日の8割以上出勤していること。
パートやアルバイトも、上記の要件を満たすと有給の権利が発生します。
年次有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額や精皆勤手当及び賞与の算定などに際して、欠勤として取り扱うなどの不利益な取り扱いはしないようにしなければなりません。
年次有給休暇の請求権は、労働基準法第115条の規定により、2年間で時効によって消滅します。年次有給休暇の請求権は、基準日に発生するものであるので、基準日から起算して2年間、すなわち、当年度の初日に発生した休暇については、翌年度末で時効により消滅することになります。
トラブルで多いのが退職時の有給取得です。
事業の正常な運営に支障をきたすような有給の申請に対して、使用者は時季変更権がありますが、退職日を超えて有給の取得日を変更することはできません。退職時にまとめて有給を申請されると、引き継ぎができなくて困るという場合、実務的には従業員に有給の申請を差し控えてもらうよう「お願い」して引き継ぎをしてもらうしかありません。なお、有給を買い上げの予約は、有給の取得を抑制することになるため違法ですが、取得しないままに時効により権利が消滅する場合や退職する場合など、結果として残った有給を買い上げることは違法ではありません。
(1) 週所定労働日数が5日以上または週所定労働時間が30時間以上の労働者
継続勤務年数 | 0.5 | 1.5 | 2.5 | 3.5 | 4.5 | 5.5 | 6.5以上 |
付与日数 | 10 | 11 | 12 | 14 | 16 | 18 | 20 |
(2) 週所定労働日数が4日以下かつ週所定労働時間が30時間未満の労働者
週所定 労働日数 |
1年間の所定 労働日数 |
継続勤務年数 | |||||||
0.5 | 1.5 | 2.5 | 3.5 | 4.5 | 5.5 | 6.5以上 | |||
付与日数 | 4日 | 169日~216日 | 7 | 8 | 9 | 10 | 12 | 13 | 15 |
3日 | 121日~168日 | 5 | 6 | 6 | 8 | 9 | 10 | 11 | |
2日 | 73日~120日 | 3 | 4 | 4 | 5 | 6 | 6 | 7 | |
1日 | 48日~72日 | 1 | 2 | 2 | 2 | 3 | 3 | 3 |