経営レポート

令和3年8月現在

フレックスタイム制

 フレックスタイム制とは「一定の期間についてあらかじめ定めた総労働時間の範囲で、労働者が始業や終業の時間、労働時間を自由に決めることができる制度」のことです。
通常の労働時間制だと、所定労働時間が9時から18時までの場合、休憩1時間を除いた8時間はすべて勤務しなければならない時間帯となります。
 フレックスタイム制を導入する場合、例えば勤務可能時間帯を6時から20時までとすると、この時間帯の中で労働者が自由に勤務時間を決めることができます。

Ⅰ.フレックスタイム制を導入する手順

1.始業・終業時刻の決定を労働者に委ねる旨を、就業規則等に定める。

2.事業場の過半数労働組合、それがない場合には過半数代表者と労使協定を締結する。

  • 労使協定においては以下の事項を定める
  • ① 対象となる労働者の範囲(例えば、「全従業員」、「正社員に限る」等)
  • ② 清算期間(フレックスタイム制において労働者が労働すべき時間を定める期間)
  • ③ 清算期間における総労働時間
    労働契約上、労働者が清算期間において労働すべき時間として定められた時間であり、すなわち所定労働時間のこと。
  • ④ 1日の標準労働時間
    年次有給休暇を取得した際に支払われる賃金の算定基礎となる労働時間の長さを定めるもの。
    清算期間における総労働時間を、期間中の所定労働日数で割った時間を基準として定めます。
    フレックスタイム制の対象労働者が年次有給休暇を1日取得した場合には、その日については標準となる1日の労働時間を労働したものとして取り扱います。
  • ⑤ コアタイム(労働者が1日のうちで必ず労働しなければならない時間帯)
  • ⑥ フレキシブルタイム(労働者が自らの選択によって労働時間を決定することができる時間帯)

⑤⑥の設定は任意ですが、もし設定する場合はその時間帯の開始・終了の時刻を定める。

Ⅱ.清算期間

 2019年4月1日に労働基準法改正により、清算期間の上限が1ヶ月から3ヶ月に変更されました。この改正で、1月目に多く働いた分を次月は少なめに働くなど清算期間内における実労働時間を月単位で調整できるようになり、さらに月単位での柔軟な働き方ができることになりました。
 清算期間を1ケ月超で設定する場合は次の条件が加わります。

  • 〈条件〉
  • ① 清算期間全体の労働時間が、週平均40時間を超えないこと。
  • ② 1ヶ月ごとの労働時間が、週平均50時間を超えないこと。

Ⅲ.導入可能な職種

 原則として、フレックスタイム制の導入について、職種に制限はありません。ただし、導入が向いている職務と向かない職務があり、個人での業務が主となっている職種は、フレックスタイム制に向いている職種といえます。
 しかし、他の企業との取引で、始業から終業まで相手の都合によって業務が変わっていく職種には不向きだと言えます。
 合同経営グループの香川県ケアマネジメントセンター(株)では、フレックスタイム制を導入しています。
 顧客からの電話対応さえ誰かができていれば、あとは個人が予定をくみ上げていきますので、導入後も問題無く対応できています。

 フレックスタイム制は、勤務時間がそれぞれの労働者で異なるため、勤怠管理が複雑になるなどの会社側のデメリットを伴いますが、仕事の状況やプライベート事情に合わせて1日の労働時間を調整することができるため、うまく活用すれば、労働者にとっては効率的であり、個々のライフスタイルに合った働き方ができるといったメリットの大きい制度です。
 働き方改革の真の目的である「多様で柔軟な働き方」を実現するためにも、フレックスタイム制の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

お問い合わせは、税理士法人合同経営までご連絡ください。
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