経営レポート

平成24年10月現在

こんなとき、休業手当は払うべき?

労働基準法第26条 休業手当とは

労働基準法第26条では『使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない』と定められています。
使用者の責めに帰すべき事由とは、使用者が休業になることを避ける為に最善の努力をしたかどうか、が判断基準になります。言い換えると、不可抗力以外は使用者の責めに帰すべき事由に該当すると考えられます。

《使用者の責めに帰すべき事由の具体例》
1. 経営難で資材や資金を獲得出来ず休業
2. 生産調整のための一時帰休
3. 現場職の仕事量を確保出来ず自宅待機

天災事変による休業は使用者の責めに帰すべき事由による休業には該当しませんので、休業手当の支払いの必要はありません。

ケース1 インフルエンザ等の感染症

従来のインフルエンザの場合は法律で定める就業制限にかかる感染症ではありませんから、一般的に就労可能な状態まで回復したときに自宅待機を命じた場合は「休業手当の支払いが必要になる」というのが一般的です。
新型インフルエンザの場合はどうでしょう?国は「新型インフルエンザ対策行動計画」で新型インフルエンザ患者やその疑いがある者には状況に合わせて入院勧告、受診勧告を行うこととしています。ですから、これに従い感染者やその疑いのある従業員を自宅待機させる場合は、休業手当の支払いは不要と考えられます。つまり、従来のインフルエンザで従業員を自宅待機にする場合は休業手当が必要、新型インフルエンザで自宅待機にする場合は休業手当が不要ということになります。

ケース2 計画停電時間

原子力発電所の稼働問題の影響により電力会社において地域ごとの計画停電が想定されます。停電で仕事が出来ないという理由で労働者を休ませた場合はどうでしょうか?厚生労働省の通達では次のように取り扱うこととされています。

天災事変とは
1.
その原因が事業の外部より発生した事故であること
2.
事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることの出来ない事故であること

つまり計画停電は、天災事変に含まれると解されますので、計画停電時間は休業手当を支払う必要がありません。停電時間帯以外の時間も含めて休業日にした場合は、原則として停電時間以外の時間について休業手当の支払い義務が発生します。但し、停電時間のみを休業とすることが企業の経営上著しく不適当な場合は、休業手当を支払うことなく休業させてよいと考えられています。

※1日の休業は停電時間以外の労働が可能かどうかで見る

ケース3 パートタイマーと休業手当

休業手当は、正社員だけに支払われるものではありません。仕事量が減ると、会社の都合でパートタイマーを早く退社させたり、自宅待機を命じて休業手当を支払っていない例が多くあります。
パートタイマーでも労働基準法で守られるべき労働者です。雇用したときには雇用契約書を交わし、そこに定められた労働時間分の労働は使用者の責任として確保しなければならないのです。

雇用調整助成金の利用

業績不振により、やむを得ず休業する場合は、助成金の利用を検討してみてはいかがでしょうか。前年度の同時期より売上高が10%以上ダウンしている場合は、雇用調整助成金の申請対象になる場合があります。

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