消費税増税の世論操作 (10.6.10)
菅内閣で再出発した民主党。共同通信社が8-9日に国民世論調査。菅内閣支持率61パーセント。鳩山内閣末期の19.1パーセントの3倍増だ。
鳩山退陣の原因となった、普天間基地と政治・カネは、何も解決していない。それどころか、基地問題は沖縄への押し付けだし、カネの問題は逃げの姿勢だし悪質だ。ただ、「表紙」を変えたに過ぎない。だのに、国民世論はこうも変わるのか。人がいいのもいい加減にしないと、政治は良い方へは進まない。
むしろ、この「表紙」代えを利用して、閣僚もマスコミも世論誘導の大合唱と言う"異常事態"が生じている。それは、「法人税減税と消費税増税」論だ。
考えてもみよう。20年前の消費税導入後、法人税率は42パーセントから30パーセントまでに下がっている。その法人税減税分が、ほぼ消費税収と見合っている。社会福祉のためと言って導入した消費税は、殆ど法人税減税分に使われている結果になっている"事実"を直視しない、マスコミ・政治家・学者・評論家等は信用できない。
さらに、中小企業は5パーセントの消費税を売上先に転嫁できずに、それだけ利益が減っている実態が多い。これが倒産の大きな一要素になっている。ここへ消費税を増税するとどうなるのかは、誰でも解かる。
一方、大手は下請け単価と人件費の切り下げで、減収でも増益となり、内部留保は200兆円(国家予算の2倍以上)を優に超えている。
この実態を見ないと、国民生活や中小企業はさらに貧困化する。「大本営発表」の教訓がある。
(乃口 健一)