「視界良好」 (15.1.7)
車での通勤路に、とある寮がある。数年前に、そこそこ大きい建物が建ち始めた時は、道路に面した塀が出来るといつもの曲がり角が見えにくくなると危惧していたが、出来あがるとスリット状の塀であったので何の問題もなかった。
だが、昨年のいつ頃からか、いつもの曲がり角に差し掛かると、ちょうど視界の邪魔になるところにワンボックスカーが止まり始めた。職員の人のだと思うが「あえてそこに止めなくてもいいのでは。」という場所に必ず止めてある。他にもたくさん止める場所はある筈なのに、せっかくのスリットの塀が台無しではないか。
よっぽど場所を変えてもらうようお願い(ちょっとしたクレームかもしれないが)に、行こうかと思っていたのだが、そうこうしているうちに年が明けてしまった。
と思ったら、いつもの視界を遮る場所に車がない。次の日もない。他の場所にもない。来なくなったらしい。その日から、朝の通勤路の曲がり角の視界は良好で、朝からちょっとした「イラっと感」がなくなったのは言うまでもない。
(酒井洋美)