わたしの旅のお供 (23.7.4)
旅行をするのが好きで、休みの日にはよく色々なところへ出かけています。
バスで出かけることが多いので、移動中の車内ではたいてい本を読んでいます。
幼いころは乗り物酔いがひどく、車内で本を読むなんてとても考えられませんでしたが、それさえ克服してしまえば移動中は、静かで、かつある程度の時間が確保でき、読書にはぴったりの時間です。
今回は、最近の旅のお供として「これを選んでよかった!」と思った本を紹介します。
●村上春樹『遠い太鼓』
村上春樹は小説よりエッセイの方が肌に合うなと気がついて、最近はよくエッセイを手に取っています。
村上春樹は小説よりエッセイの方が肌に合うなと気がついて、最近はよくエッセイを手に取っています。
これは彼がヨーロッパを転々としながら暮らしていた時代の旅行記で、「旅」と「生活」の間くらいで書かれる文章の質感がとても面白いです(イタリアでは観光地へ行くより狭い道路へ見事に縦列駐車を決める車たちを見ている方がずっと楽しい、とか)。
旅をしながら別の旅の話を読むというのは、なんだかすごく贅沢な気持ちになる気がします。
●西加奈子『くもをさがす』
カナダでの滞在中に乳がんが発覚した著者の、治療の一部始終を描いたノンフィクション...なのですが、闘病記とは思えないほど(実際本の中でも「これは闘病記ではない」と書かれています)明るく、勢いにあふれ、ぐいぐいと読ませる本です。
著者が大阪出身ということもあり、カナダで出会う人々のことばがことごとく関西弁でつづられることが、この読後感の一因かもなと思います。
●橋爪志保『地上絵』
どこからでも読み始められる・どこで本を閉じてもいい、という点で、歌集も旅行向きの本だなと思っています。
タイトルにもなっている「I am a 大丈夫 ゆえ You are a 大丈夫 too 地上絵あげる」という歌、
「ここへ来て一緒に濡れてほしいのにあなたは傘をたくさんくれる」という歌が特にお気に入りです。
どれもおすすめです。よかったら次の旅行のお供にどうぞ。
いひら