街の古本屋 (19.6.5)
気がつくと街から古本屋がなくなっている。店主が一人で店番をしているような個人の古本屋は、高松市内にもう数店ほどか。平成の初めころには、10店以上はあった。
学生の頃から古本屋めぐりが好きで、大阪の阪急古書のまちで一日掘り出し物を探したり、社会人になってからは、転勤で新しい町に引っ越すと地元の古本屋をすぐに探して回ったりしたものだ。店の前に「100円均一」の文庫本や単行本がワゴンで出され、通路には雑多に本が積み上げられている。そんな古本屋で本棚の左上から右下へスキャンしていくと意外な本に出会うこともあった。古本の愉しみは、実際に本を探すことにある。
街の古本屋が減少したのは、ブックオフやネット販売が原因と言われているが、電子書籍が普及したこともあるだろう。私も特定の著者の絶版本はネットで購入することが多い。「日本の古本屋」という古書店組合のサイトもあるが、アマゾンを利用している。スマホで書名か著者名を検索すれば、全国の古書業者の売値がわかり、コンビニで入金して三日ほどで手元に届く。まったく便利な世の中になったものである。
(髙嶋)