「ぬか漬け」 (13.7.12)
久しぶりにぬか床をつくった。最近は、いろいろ便利なものが出回っているので、ぬかの中に唐辛子、からし粉、コンブなどいろいろ混じったぬかを買ってみた。
最初は、発酵が足りないのに塩けが強いものからはじまり、回数を重ねると乳酸菌や酵母が発酵して、だんだんこなれた感じのぬか漬けが出来てくる。常温だと、きゅうりなら1日、ナスだと2日程度でぬか漬けが出来上がるが、なかなか100点満点のぬか漬けはむずかしい。修業が必要だ。
子供のころは、亡くなった祖母がぬか床を作っていたが、重しにはぬか漬け用の石を使っていた記憶がある。食卓にあたり前のようにあったぬか漬けは、今思うと贅沢なことだったのだと思う。なんせ、畑からとりたての新鮮な野菜を漬けていたのだから・・・。ぬか床をかき混ぜながら、ぬかの香りとやわらかい感触になぜか癒されるのは、そんな祖母のことを思い出しているからかもしれない。
ぬか床は生きているので、毎日の手入れが欠かせない。おいしいぬか漬けを食べるためには、子供の様に手がかかるのはやむを得ないのである。まあ、大きな子供のような旦那がおいしそうに食べてくれるので、つくりがいもあるのだが・・・。
(酒井洋美)