仏像ブームと人々 (11.10.17)
事務所の京都遠足も終わり、秋は一層深まっていく。すでに、東寺のカエデは彩り始め、集合写真の背景を飾ってくれた。東寺の顔、立体曼荼羅21体の仏像が総勢で私たちを迎えてくれた。一週間前に8体の仏像が東京・上野への出稼ぎから帰り、前日から全員集合となっていた。
その8体が上野に出稼ぎ中の7月下旬に、私と息子は「対面」している。「空海と密教」展で、善通寺からは国宝の錫杖が出稼ぎ中だった。高野山等からも大勢出張してきていた。そして、鑑賞人のなんと多いことか。仏像ブーム、歴女現象だけで説明できるような人数ではない。貧富の差が異常に拡がり、先の見えない情況下で、人々は何かを求めているのだろう。
17時を過ぎると、駆け足で夕闇がやってくる。
(乃口 健一)