成人の日に・・・。 (11.1.11)
きのうは成人の日でした。今、四十代半ばのわたしにもその日はたしかにありました。ついこの間のことのように思い出されます。しかし現実には、あれから四半世紀という長い年月が過ぎてしまったのです。時どき体にも頭(頭髪のことではなく脳のことです)にも「老い」というものを感じて気持ちが滅入ることがあります。でも近頃の脳科学の研究によると、七十歳を過ぎても脳細胞は分裂し増えることがわかってきたそうです。であるならやはり気持ちの持ちようが大切ということになります。
最近読んだ本に「老齢は山登りに似ている。登れば登るほど息切れするが、視野はますます広くなる。」という言葉がありました。胸に響きました。年を取ることを年を重ねるとも言います。上手に年を重ねていけば広い視野で俯瞰的に世の中を見渡せるところまで行けるのだなと思いました。
わたしにはふたりの子どもがいます。彼らが成人するまでにまだ数年あります。その数年の間にわたしはどれだけ高みに行けるだろうか。どれだけ広い視野を持った人間になれるだろうかと不図考えさせられました。数年後の彼らの成人の日に、祝いの言葉とともに、人生の先輩として、彼らの心に生涯刻まれる処世訓を贈れる人間になっていたいものです。
(松本 秀紀)