「アートな島々」 (10.9.9)
先週の土曜日、35度を超える暑さの中、瀬戸内の島に出かけた。
今、瀬戸内海では、7つの島々にアート作品を展示した「瀬戸内国際芸術祭2010」が開催されている。直島の安藤忠雄氏が建築した「地中美術館」は以前から有名ではあったが、今回はいろんな場所に、いろんな作家が、工夫を凝らした様々な作品を展示している。
今回行ったのは、女木島と男木島。高松港からすぐの島だが、私は今まで行く機会がなかったので、初めて訪れる場所であった。女木島といえば、桃太郎伝説の「鬼が島」で有名な島で、当然のごとく、鬼が島大洞窟も散策したのであるが、外界の気温が30度を超えていても、洞窟の中は15度くらいで、入口に近づいたとたん、冷気が洞窟内からやってきて、あっという間に汗がひいてしまった。自然のクーラーの威力はすごいのである。
洞窟探検の後は、展望台にのぼり、1時間ほどかけて女木港までぶらぶら散策、まだ午前中であったのだが、暑さとの戦いでもあった。ただ、瀬戸内海に浮かぶ島からの眺めは、暑さと引き換えにするだけの価値はあったと思う。
午後は、女木島を後にし、男木島へ渡った。フェリーで15分ほどの隣りあった島なのに、女木と男木では島の雰囲気が異なっている。女木島は港のまわりは平坦な感じであるが、男木島は尾道のように狭い坂道と階段が入りくんでいて、午後の体力には少々厳しいものがあった。おまけに、なぜか男木島灯台まで散策しに行ったので、帰りはもう帰れないのではと思ったが、自然の中を歩いていると、いろいろなものが助けてくれる。瀬戸内海の眺めしかり、バッタやカマキリとの遭遇しかり、木立の中のつかの間の日陰しかりで、なんとか港までたどり着けた。
アート作品は、面白いものあり、芸術的なものあり、奇抜すぎてよくわからないものありでそれなりに楽しかったが、何より瀬戸内海の島自体がアート作品だと私は思うのである。あまりに近すぎて、まじまじと見ることがなかった島々であるが、瀬戸内の良さを発見した1日であった。
(酒井洋美)