親父 (10.9.2)
今日、9月2日は父の誕生日だ。74歳になった。戦前、まんのう町の山奥で生まれ、生後3日で母親を亡くし、それからというものなんとまぁよくそんなと思うほどの苦労をしてきた人だ。高校を卒業してすぐ自衛隊に入り北海道の駐屯地で4年過ごした後、警察署に就職。60歳定年まで窓際係長として総務の仕事を地道にこなし、酒もたばこも呑まず、賭け事は一切せず、たぶん浮気は一度もしたことがない。好きな言葉は 《人事を尽くして天命を待つ》。 私の社労士試験の時は何回もそれを言われた。「いっしょけんめ、やってやってやり尽くしたら、あとは神さんが決めるんじゃ。人の一生もおんなじや」
朝一番におめでとうと言ったら、ムッとされた。もう歳はとりたくないらしい。私はそんな親父を尊敬し、愛している。年々、しわやシミが増え、どんどん偏屈じいさんになってきているけれど、娘や孫がもう少ししっかりするまで、長生きをして欲しいと願う。
(是松 郁子)