美しさもある書式 (09.9.4)
「なるほど。そういうことか。」
年々複雑で煩雑な書類が増えた介護事業。
「現場で使える書式」を研究する機会があり、介護事業所を順次にたずね歩く日々が続いた。そこで見せてもらった一つ一つの書類には、利用者の個人情報や、介護事業所のサービスの詳細な記述が求められていた。
介護事業には、利用者から集められた保険料が半分、残りの半分は国税、県市民税で賄われる。いわば「税金で運営される」事業が介護事業であり、そういう意味で介護事業者は「半分は公務員」ということになる。
提供するサービスの質や内容が公正で妥当なものであることが求められる。無駄のない仕組みを作っている事業所の書式は「美しさ」も感じる程のこだわりを持って具体化されていたことに驚いた。
意外に公の「サービス評価事業」で問われる書類等は形式的な面が多いのだが、実際に現場で求められることに対応しようとしてつくられている書式は生々しくて興味深いものだった。
業界を超えて、こうした書類の整備については、多くのことを学ばされた。(林哲也)