「留守番電話」 (13.12.11)
久しぶりに母から留守番電話が入っていた。
そろそろ電話がかかってくる頃かと思っていたので、案の定であった。しばらく実家に帰っていないからだ。
「忙しいんな。」いつも決まって話はそこから始まる。
「新米出来てるけど、取りに来てないね。」そうそう、忙しくて行けてませんが。
「野菜も出来てるけど、忙しいんなら送ろうか?」とどめの一言。決して遠い距離ではないので、これを言われると行かないわけにはいかない。なんとか無理やり時間を作って行く羽目になる殺し文句だ。
最近の留守番電話は、結構長く録音されるので、長々メッセージが入っていることも良くあり、こっちがこの場で聞いているようにしゃべる母の伝言を聞きながら、しばしば顔を見せに行かないのは親不孝だなと思い知らされながら聞いてしまうのだ。
母からの電話は、ちょっとした呼び出し状でもある。
(酒井洋美)