情報化社会の光と影 (13.8.7)
インターネットやそれを介したSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の普及により、人と人とのコミュニケーションの範囲は飛躍的に拡大した。もはや情報の地域間格差や非対称性というものは、ほとんど気にならなくなってきた。誰もが認める情報化社会のプラスの側面であると思う。一方で、社会全体からみれば、ほんのごく一部ではあるが、マイナスの側面として、それらを悪行に用いる者たちが時おり出現する。広島の少女遺体遺棄事件は、記憶に新しいところである。
人と人とのコミュニケーションは、膝を付き合わせてというのが、やはり基本であると思う。人は、面と向かって話すことによって、言っていいことと悪いこと、相手の言葉が本心か、偽りかなどを見極める能力を身に付けるのだ。これは個人のパーソナリティや社会性の発達のために、必要な要素のひとつだ。
その社会性の未発達な者に、取扱いについて、充分な説明も与えず、コミュニケーションツールを、安易に与えたりするから、「殺せって言ったから、殺した」みたいなことになる。売り物のパンの上で大の字になったり、コンビニの冷蔵庫で寝っ転がった写真をTwitterに投稿する者が出てきたりする。社会にとっても、一部の馬鹿者の愚行として、もはや看過できないことが起きている。
我が家にも高校生の子どもが二人いて、二人ともスマホを持っている。それぞれの自室の扉の向こうで、スマホを介してどんな人たちとつながっているのか、親である私にもわからない。以前、あるアメリカ人の母親が、13歳の息子に初めてiphoneを与えるときに贈ったメッセージが、メディアで話題になったが、それをあらためてネットで見てみた。Amazing!本当にすばらしいお母さんである。このお母さんに比べると、私などは親として本当に恥ずかしい。この息子さんは、絶対におバカな写真をネットに投稿するような若者にはならないだろう。一度、このお母さんのメッセージにあることの一つひとつについて、我が家でも子どもたちと真剣に話し合わなくてはと、強く思う。
「スマホ 約束」で検索すると見ることができる。特にお子さんのいらっしゃる方には、ぜひおすすめしたい。
(松本 秀紀)