食の安全について ~放射能汚染と食~ (2) (12.8.10)
1ベクレルというのは、放射性原子が1秒間に1個の割合で壊れて放射線を出すことです。例えば、セシウム137が1㎏あたり10ベクレル含まれている食べ物を食べると、1秒間に10個のセシウム137が崩壊して放射線を出し、細胞を傷つけます。1秒間に10個ということは、1日では864,000個。そして体内にある限り放射線は放出され続けます。セシウム137の生物学的半減期は約70日なので、70日後にやっと半分の5ベクレルになります。このように1回だけの摂取でもまだ放射線を出し続けますので、毎日汚染された飲食物を複数摂取し続けるということは・・・?
多くの場合、傷ついた細胞も、本来備わっている修復機能により正常細胞に修復され、間違って修復された場合も、排除される機能が備わっているので、すべてが異常細胞として成長するわけではありません。しかし異常再結合により何年か後に異常細胞の増殖が止まらず、がんになる可能性があります。「ここまでなら安全」、などという線引きはできないのです。
では次回は日本の基準値について考えてみたいと思います。
(鈴木めぐみ)