「涼風を贈る」 (20.6.19)
なぜか突然'父の日'にうちわを贈ろうと思った。実父はすでに他界しているので、県外にいる義父への父の日のプレゼントである。私は、丸亀市出身なので「うちわ」には少しうるさい。なぜなら、丸亀市はうちわの生産量が全国の90%ほどを誇る日本一の産地なのである。
プラスチックのうちわはよくノベルティなどで配られたりしているが、邪道である。竹のうちわのしなりはプラスチックでは出せないのである。私の好みは、持ち手は丸く細い竹で少し長め、扇ぐ面は楕円よりやはり丸いのが好きだ。
当然ひとつひとつ手作りなので同じタイプでも、持ち手の節の感じやしなり具合、重心のバランスで扇ぐ感じが微妙に違う。何十本といううちわを扇ぎ倒して、選りすぐりの3本を父の日に送り届けてもらった。
コロナ渦も、夏の暑さも吹き飛ばす涼風がうちわから感じてもらえるといいなと思う。
(酒井洋美)