なんとかなるものです。 (16.10.17)
我が家は海沿いの田舎町にある。ご近所には漁師もいる。その漁師のご近所さんからお魚をいただくことも間々ある。この日曜日の朝にもメバルをいただいた。その日は早朝から妻が所用で出かけており、私ひとりでいたときだった。いただいたメバルを台所のシンクの中で、ボウルに移したところまではいいが、その次がどうしていいかわからず、メバルのでっかい目玉を見つめて茫然と立ち尽くしてしまった。寝起きだったので頭が全然回らなかったのだ。暫しの後、気持ち悪っ(←メバルがね)と我に返り、とリあえずラップして冷蔵庫に入れとくかと思ったものの、冷蔵庫が生臭くなるなあと思った次の瞬間、煮付けにしようと思ったのだ。したこともないのに。
早速、うろこを落とし、はらわたを取って下準備。ここまではできる。あ、あと三枚におろして皮取って刺身にするくらいまではできる。しかし煮付けなんて初めの挑戦だ。でも心配ご無用、便利な世の中になったものだ。スマホでレシピを検索すると見ず知らずのお方が親切丁寧に解説してくれている。言うとおりに調理してみた。水、酒、みりん、しょうゆ、(しょうがはなかったので省いた)・・・。ひと煮立ちしたところで味見。???・・・正解がわからない。けれど大きくもそれてない気がした。ええ加減に、ほんまにええ加減に、酒、みりん、しょうゆを足しながら微調整しつつ、煮付けていった。するとなんということでしょう。奇跡的にいいお味になったではありませんか。ほんまなんです。これ。お昼に一人で一匹食べて、夕飯でも帰宅した妻と一緒にまた食べました。「どうなんこれ、いけてるやろ、ええ味してるやろ、どうなん?」とのわたしの問いかけに妻も「うん、ええな」の一言。物足りない。今時ロボットでももうちょっと可愛く答えるぞと思いつつも、少しだけ達成感を得られた幸せな休日でした。
(松本 秀紀)