ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。(鴨長明『方丈記』冒頭文)
生きていると、ときどきこうしたどうしようもない無常観に苛まれる出来事に出くわすことがある。「毎日、これが人生最後の日だと思って生きなさい。やがて本当にそうなる日が来るから」。ある人の言葉だ。うたかたの人生を自分は大切に生きているだろうか。いつ最後の日が訪れてもいい悔いのない生き方をしたいものである。
(松本秀紀)