8月と言えば (14.8.21)
私にとって8月といえば、「暑い」「夏休み」「花火」などが連想されるのと共に、やはり「戦争・平和」「広島・長崎」「原爆」を考えさせられる季節である。今年は戦後69年。戦争体験者が年々減り続け、政治の世界でもおそらくもういないのではないかと思われる。
先日NHKが行ったアンケートの結果は衝撃だった。「8月6日は何の日?」との問いに答えられたのは若者(20~30代)の2割程度。さらに驚くべきことに、それはご当地の広島でも同じだという。もはや若者の感覚から「戦争はいやだ」とか「原爆は怖い」ということも薄れ、戦争の悲惨さを想像することすら難しいようだ。
いつの時代も地球上のどこかで戦争・内戦がおきているが、一般市民にとってそれは決して幸せなことではなくむしろこれ以上の不自由、不幸はないと思うのだが、あのほんの69年前の戦争で悲惨な経験をした日本で、現代を生きる人々からその記憶と伝承が薄れていくということがなにやら不気味に感じる。
他者への無関心や、心の麻痺、現代社会のそういう小さなことが積み重なって、行きつく先は何かと考えたら、戦争だ、と詩人の宮尾節子さんが7年前に書いた詩が、今ネット上で話題になっているので紹介したい。
『明日 戦争がはじまる』
まいにち
満員電車に乗って
人を人とも思わなくなった
インターネットの
掲示板のカキコミで
心を心とも思わなくなった
虐待死や
自殺のひんぱつに
命を命と思わなくなった
じゅんびは
ばっちりだ
戦争を戦争と思わなくなるために
いよいよ
明日戦争がはじまる
宮尾節子
(鈴木)