昭和は遠くなりにけり (13.10.23)
スマートフォンの普及とともに、LINE,Facebook、Twitterなど新たなコミュニケーションツールが生まれ、爆発的な勢いでユーザー数を拡大し続けている。たしかにお手軽で便利なものであり、私も利用している。我が家の二人の高校生も、友達との連絡など、スクールライフには欠かせないようである。
時代も変わったなあとつくづく思う。あえていつ頃の話かは言わないが、私の若い頃なんぞは、人との連絡といえば、電話(電報)か手紙しかなかったように思う。そんな訳で友達との連絡も、専ら電話、もちろんケータイじゃなくて固定電話、電電公社の黒いやつだった。
高校生の時、好きな女の子に初めて電話した時のこと。ドキドキしながらダイヤルを回すと、最初に出たのがまさかのお父さんで、ものすご~く無愛想な感じで取り次いでもらったのを、今でもはっきり覚えている。青春のほろ苦い、いや、苦~い思い出である。
大学生になって、一人暮らしを始めてからは、部屋に電話がなかったので、家からの連絡は、少し離れた大家さんの家に電話があり、それをわざわざ大家さんが「家に電話してって言ってたよ」と伝えに来てくれていた。それでもって、ポケットに10円玉をいっぱい詰め込んで、近くの公衆電話までよく行ったものだ。
今時の若者は、好きな人に、メッセージを送る時に、ドキドキ胸が高鳴ったりするのだろうか・・・、などとふと思う時がある。インスタントメッセージなどというIT用語がそんな風に思わせるのかも知れない。インスタント・・・、何かそこに軽薄さを感じてしまうことがある。お手軽で便利なものを否定する気はさらさらないが、昔の生活における人と人のつながりも、なかなかよかったように思う。時に懐かしく、戻ってみたいと思うことさえある。人間て身勝手やなあ・・・。
(松本 秀紀)